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まず本書の主題である「しがらみ」とは、社会心理学的には「インセンティブ構造」のことであると指摘する。自分がある行動をすると、他人がそれに対してどう行動するかが決まっているということ。そして「しがらみ」が、人々の行動によって生み出されているのが「社会」なのだ、すなわち社会とはインセンティブ構造であると。

「世間では人々の行動が契約で縛られているわけではなくて、人々がまわりの人たちの反応を読み合った結果として一定の行動をとり合っている。だから、みんなが本当に望んでいることと、ほかの人たちはこう思っているだろうと思われていることが食い違ってしまう可能性があるんだよ。そのために、いろんなおかしな結果が生まれてしまう。」

本当は誰もそうしたいと思ってはいないのに、全体としてヘンなことになってしまうインセンティブ構造のパターンをいくつか取り上げる。クジャクの羽根の話、いじめの螺旋の話、赤ちゃんをぐるぐる巻きにする社会の話。説明に使う例が、どれもユニークであると同時に適切で、印象に深く残る。

この本は、生きづらい世の中としてのしがらみ社会を生きていくための知恵を若者に与える意図を持って書かれている。空気を読み合う「心でっかち」な世間から、少し距離をおいて物を考える資質を論じる。世間がダメなら、社会でいきよう、というのが著者の提案だ。世間の上にある社会では決まり事や法律を守っていさえすれば自由な生きていい。だから本当は社会に出ることを怖がる必要なんてないんだよ、と。

5ヶ月前

12月 16, 2011
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